知っておくべき!企業内保育所について

知っておくべき!企業内保育所について

はじめに

企業内保育所は、企業が自社の従業員のために設置する保育施設です。従業員のワークライフバランスの向上や、働く親の負担軽減を目的としています。企業内保育所の設置は日本でも増加しており、働きながら子育てを支える重要な役割を果たしています。本記事では、企業内保育所の仕事内容や形態、保育園との違い、働きやすさ、給与、倍率、施設規模など、さまざまな側面から企業内保育所について詳しく解説します。

企業内保育所の仕事内容

企業内保育所の主な役割は、従業員のこどもたちを安全に保育し、成長を支援することです。仕事内容は一般的な保育園と大きく変わりませんが、企業内保育所特有の特徴もあります。

基本的な保育業務

  • 日常保育: こどもの年齢に応じた保育プログラムを実施します。遊びや教育的活動を通じて、こどもたちの社会性や運動能力、認知能力を育むことが目的です。
  • 健康管理: こどもの健康状態を常に確認し、病気やケガがないかをチェックします。体調不良の場合には、速やかに保護者に連絡します。
  • 食事と休憩: こどもたちの食事を提供し、食育活動を行います。また、年齢に応じて午睡や休憩時間を設け、健康的なリズムを確立します。
  • イベント企画: 季節のイベントや誕生日会などを開催します。ただし、企業内保育所では保護者向けの大規模なイベントは少ない傾向にあります。

企業内保育所特有の業務

  • 保護者との連携: 同じ建物内で働く親と密接に連携することが求められます。迅速な連絡や対応が可能で、保護者からの信頼も得やすいです。
  • 夜間保育: 親が夜勤をする企業では、夜間保育が必要となることがあります。通常の保育業務とは異なるため、夜間保育の準備や運営には特別な配慮が必要です。
  • 企業方針との調整: 企業の方針や従業員のニーズに応じて、保育所の運営方法を調整します。例えば、特定の時間帯のみの開所や、フレキシブルな対応が求められる場合があります。

さまざまなかたちの企業内保育所

企業内保育所には、いくつかの異なる形態があります。それぞれの形態には特徴があり、企業や従業員のニーズに合わせて選択されます。

専用施設型

企業内に専用の保育施設を設け、従業員専用の保育サービスを提供するタイプです。規模が大きく、設備も充実している場合が多いです。このタイプは大企業に多く見られます。

共同運営型

複数の企業が共同で保育施設を運営するタイプです。費用負担や運営の手間を分散できるため、中小企業にとって利用しやすい形態です。また、企業間での従業員同士の交流も生まれやすいです。

外部委託型

企業が外部の保育業者に委託して運営するタイプです。保育の専門知識を持つ外部業者が運営するため、質の高い保育サービスが期待できます。企業は設置や運営の手間を軽減でき、保育のプロフェッショナルによるサービスが受けられます。

人間関係は保育園より良い場合が多い

企業内保育所では、一般的な保育園と比較して人間関係が良好な場合が多いです。その背景には、いくつかの理由があります。

職員数が少ないから派閥がない

企業内保育所は規模が小さいことが多く、職員数も少ないため、派閥やグループが形成されにくい環境です。その結果、スタッフ同士の関係がシンプルで、協力的な雰囲気が生まれやすいです。お互いの役割や責任が明確であり、コミュニケーションも取りやすくなります。

親が同じ建物内にいるので連絡がとりやすく、保護者同士のもめごとも少ない

保護者が企業内で働いているため、何か問題が発生した際に迅速に連絡が取れるのは大きなメリットです。また、保護者同士のトラブルも少なく、保育所と保護者の関係が円滑に進むことが多いです。同じ企業で働く仲間としての共通の理解や信頼が築かれやすく、問題解決もスムーズです。

イベントが少ないから、保護者と交流する機会も少ない

企業内保育所では、大規模なイベントが少ないため、保護者との交流の機会が限られています。このため、保護者同士の衝突や摩擦が生じにくく、落ち着いた環境で保育が行われます。ただし、その分保護者とのコミュニケーションは工夫が必要であり、日々の連絡や小さなイベントでの交流を大切にする必要があります。

勤務時間と残業は保育園より短い

企業内保育所では、勤務時間や残業の状況が保育園よりも良好な場合が多いです。

規定された勤務時間

企業内保育所の開所時間は企業の勤務時間に合わせて設定されることが多く、夜間保育など特別なケースを除けば、一般的な保育園に比べて勤務時間が規定されており、残業も少ない傾向にあります。特に、夜間や週末の勤務が求められない場合が多いため、保育士にとって働きやすい環境が整えられています。

残業が少ない

企業内保育所では、保育士の負担を減らすための工夫がされています。例えば、保育士が事務作業や清掃などに追われることが少なく、保育に専念できるようにサポート体制が整えられている場合があります。これにより、長時間労働や残業が抑えられ、保育士のワークライフバランスが向上します。

夜間保育があるところも

一部の企業内保育所では、従業員の勤務形態に応じて夜間保育を行う場合があります。
親が夜勤を行う企業では、夜間保育が提供されることがあります。夜間保育は特別な配慮が必要であり、安全管理や保育内容において通常の保育とは異なる点が多いです。例えば、夜間はこどもたちの睡眠時間が中心となるため、静かな環境を保つことが重要です。また、こどもが安心して眠れるよう、家庭的な雰囲気を作ることも求められます。

季節ごとの飾りつけも大掛かりでない

企業内保育所では、季節ごとの飾りつけやイベントは、一般的な保育園に比べて控えめであることが多いです。

シンプルな飾りつけ

企業内保育所では、保育士の負担を減らすために、季節ごとの飾りつけやイベントはシンプルに行われることが多いです。これにより、保育士は本来の保育業務に集中でき、こどもたちにとっても過度な刺激を避けることができます。また、企業内の他の業務と調和するように、落ち着いた雰囲気を保つことが重要です。

適度なイベント

企業内保育所では、企業の方針や従業員のニーズに応じて、必要なイベントだけを開催することが多いです。例えば、季節ごとの簡単な行事や、こどもたちの成長を祝う小さなイベントなどが挙げられます。大規模なイベントを避けることで、保育士の負担を軽減し、こどもたちとの日常のふれあいを重視することができます。

給与や手当ては運営している企業によって差が出る

企業内保育所の給与や手当は、運営する企業の方針や財政状況に依存します。そのため、保育士の待遇には大きな差が生じることがあります。

給与の違い

企業内保育所の給与は、企業の規模や業種、経営状況によって異なります。一般的には、大企業や資金力のある企業が運営する保育所では給与が高めに設定される傾向があります。一方、中小企業が運営する場合や、共同運営型では、給与が一般的な保育園と同程度か、やや低いこともあります。

手当てや福利厚生

企業内保育所では、企業独自の手当てや福利厚生が提供されることがあります。例えば、ボーナスや特別手当、健康保険や退職金制度などが挙げられます。また、企業の従業員として保育士が雇用される場合、企業全体の福利厚生制度を利用できることもあり、これが待遇の一部となります。

企業内保育所は倍率が高い

企業内保育所の求人は倍率が高いことが多く、競争率が激しいです。
企業内保育所は、従業員にとって便利で魅力的な保育環境であるため、保育士の応募も多く、求人倍率が高くなる傾向にあります。特に大企業や待遇の良い企業の保育所は人気が高く、求人が出るとすぐに埋まってしまうことが多いです。また、保育士の求人情報は内部で優先的に募集されることもあり、外部からの応募が難しい場合もあります。

設備や保育士の人数が足りない

企業内保育所は一般的な保育園と比べて規模が小さいため、設備や保育士の人数が不足することがあります。

設備の制約

企業内保育所は、企業内の限られたスペースに設置されることが多いため、設備が十分に整っていない場合があります。例えば、広い遊び場や専用の教室などが不足していることがあります。これにより、保育士は創意工夫を凝らして、限られた環境でこどもたちに最良の保育を提供する必要があります。

保育士の人数

企業内保育所では、規模が小さいために保育士の人数も限られています。そのため、一人当たりの保育士が担当するこどもの数が多くなりがちです。このような環境では、保育士の負担が増加しやすく、働き方改革やサポート体制の整備が求められます。

施設の規模によっても子どもの数に差が出る

企業内保育所の規模によって、受け入れるこどもの数には大きな差があります。

小規模な施設

小規模な企業内保育所では、受け入れるこどもの数が限られており、少人数制での保育が行われることが多いです。この場合、保育士が一人ひとりのこどもに対してきめ細やかな対応が可能であり、親密な関係を築くことができます。

大規模な施設

大企業が運営する大規模な企業内保育所では、多くのこどもを受け入れることができ、設備も充実しています。しかし、規模が大きい分、保育士一人当たりの負担が増えやすく、効率的な運営が求められます。また、大規模な保育所では、こどもたちの異年齢交流や多様な活動が可能であり、豊かな経験を提供することができます。

企業の運営悪化により閉鎖あり

企業の経営状況に応じて、企業内保育所が閉鎖されるリスクも存在します。
企業の経営が悪化すると、コスト削減の一環として企業内保育所が閉鎖されることがあります。この場合、保育士は別の職場を探す必要があり、こどもたちや保護者にも影響が及びます。また、保育所の閉鎖により、保育士の雇用やキャリアが不安定になるリスクもあります。企業側としては、従業員のための福利厚生の一環として保育所の維持を検討することが重要です。

まとめ

企業内保育所は、従業員の子育て支援やワークライフバランスの向上に寄与する重要な施設です。企業内保育所の仕事内容は一般的な保育園と大きく変わりませんが、企業の勤務形態や規模に応じて特有の業務や特徴があります。人間関係が良好で、勤務時間が短く、保育士にとって働きやすい環境が整っている一方、設備や保育士の人数が不足することや、企業の経営状況に影響を受けやすいといった課題もあります。これらの特徴を理解し、自身に合った園を探していきましょう。

 

 

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