1. 育児による手首や親指の腱鞘炎の原因と症状
1-1. 腱鞘炎の原因
育児で手首に負担がかかる動作
赤ちゃんの抱っこや授乳、おむつ替えといった愛情たっぷりのお世話も、毎日繰り返し行うことで手首や指の腱、そしてそれらを覆う腱鞘(けんしょう)に大きな負担がかかります。この負担の積み重ねが炎症を引き起こし、腱鞘炎を発症する主な原因となります。特に産後はホルモンバランスの変化も影響し、腱鞘炎になりやすいと言われています。
1-2. 腱鞘炎の症状
育児中に起こりやすい腱鞘炎では、主に以下のような症状が現れます。
- 手首の親指側や指の付け根の痛み
- 動かすと痛みが強くなる(例:物を持つ、ドアノブを回す、ぞうきんを絞る)
- 患部の腫れや熱っぽさ
- 指がカクカクと動く(ばね指)
- 進行すると、安静にしていてもジンジンとした痛みやしびれを感じる
症状が悪化すると、赤ちゃんの抱っこはもちろん、家事などの日常的な動作にも支障をきたし、大きなストレスとなることがあります。
2. 腱鞘炎の治し方といつ治るかの目安
2-1. 腱鞘炎は何日で治る?
腱鞘炎が「いつ治るのか」は、症状の程度や対処法によって大きく異なります。
- 軽度の場合
数日から数週間程度で症状が和らぐことが多いです。患部をできるだけ安静にし、負担をかけないように心がけることが大切です。 - 中等度〜重度の場合
数週間から数ヶ月、場合によってはそれ以上の治療期間が必要になることもあります。痛みを我慢して使い続けると、症状が悪化し治癒が遅れる原因となります。
2-2. 腱鞘炎を早く治すためのポイント
早期改善には、まず患部を安静に保つことが最も重要です。痛むときは無理せず、抱っこの仕方を変えたり、家族に協力をお願いしたりする工夫も必要でしょう。
その他、早期回復を促すポイントは以下の通りです。
- 患部のアイシング(炎症初期)や温め(慢性期)
- 医師の指示に従った湿布や塗り薬の使用
- サポーターやテーピングによる患部の固定と保護
- 痛みが強い場合は、医療機関(整形外科など)を受診し、適切な治療(注射や内服薬、リハビリなど)を受ける
3. 腱鞘炎予防:育児中にできるストレッチやサポートアイテム
3-1. 腱鞘炎予防に役立つストレッチ方法
手首や指への負担を軽減し、腱鞘炎を予防するためには、日頃からのストレッチが効果的です。育児の合間や、赤ちゃんが眠っている間など、少しの時間を見つけて行いましょう。
- 手首のストレッチ
-
- 腕を前に伸ばし、手のひらを上に向けます。
- もう片方の手で指先を掴み、ゆっくりと手前に引いて15秒キープします。
- 次に手のひらを下に向け、同様に指先を掴んで手前に引き15秒キープします。
- 反対側の手も同様に行います。
- 親指のストレッチ
-
- 親指を他の4本の指で軽く握りこみます。
- そのまま手首をゆっくりと小指側に曲げ、親指の付け根を伸ばして15秒キープします。
- 反対側の手も同様に行います。
※痛みを感じる場合は無理せず、気持ちの良い範囲で行ってください。
3-2. 育児中におすすめの腱鞘炎サポーター
産後の育児で手首に不安を感じる方には、腱鞘炎用のサポーターがおすすめです。サポーターは手首や親指の動きを適度に制限し、負担を軽減する効果があります。
選ぶ際のポイント
- 固定力
症状に合わせて、ソフトなものからしっかり固定できるものまで選びましょう。 - 素材・通気性
肌に直接触れるものなので、肌触りが良く、蒸れにくい素材がおすすめです。水仕事が多い場合は、濡れても乾きやすい素材が良いでしょう。 - 装着の手軽さ
育児中は片手で簡単に着脱できるタイプが便利です。 - サイズ
自分の手首の太さに合ったサイズを選びましょう。
4. 腱鞘炎への対処:塗り薬やテーピングの活用方法
4-1. 塗り薬で腱鞘炎の痛みを和らげる方法
腱鞘炎による痛みがつらい場合、市販の消炎鎮痛効果のある塗り薬(ゲル、クリーム、ローションなど)を使用することも一つの方法です。炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。
使用時の注意点
- 用法・用量を守って使用する。
- 妊娠中や授乳中の方は、使用前に医師や薬剤師に相談する。
- 肌に異常が出た場合は使用を中止する。
- 数日間使用しても症状が改善しない場合は、医療機関を受診する。
4-2. 親指の腱鞘炎をケアするテーピング方法
親指の付け根の腱鞘炎(ドケルバン病など)には、テーピングによる固定も有効です。親指の動きを制限し、患部への負担を減らすことで痛みの軽減を図ります。
テーピングのポイント
- 伸縮性のあるテーピングテープを使用する。
- 親指の付け根から手首にかけて、親指の動きを制限するようにテープを貼る。
- きつく締めすぎないように注意する。
初めての場合は、薬局の薬剤師や専門家に使用方法を相談するのも良いでしょう。
5. 腱鞘炎だけじゃない!育児中の腰痛や首の痛みへの対策
5-1. 育児による腰痛の原因と解消法
育児中は、赤ちゃんの抱っこや中腰での作業(おむつ替え、沐浴など)が多く、腰に大きな負担がかかりやすいため、腰痛に悩む方も少なくありません。
原因
- 不自然な姿勢での長時間の抱っこ
- 中腰での作業の繰り返し
- 妊娠・出産による骨盤の歪みや筋力低下
解消法・予防法
- 正しい抱っこの仕方を意識する(赤ちゃんを体に密着させ、膝の屈伸を使う)
- 床に座る際は、クッションや座椅子を利用して骨盤を立てる
- 適度な運動やストレッチで体幹の筋力をつける
- 骨盤ベルトを使用する
5-2. 授乳時に首が痛くなる原因と対処法
授乳は毎日何度も行うため、不適切な姿勢が続くと首や肩に痛みが出やすくなります。
原因
- 赤ちゃんの方を覗き込むような猫背の姿勢
- 授乳クッションの高さが合っていない
- 同じ側の腕ばかりで抱っこする
対処法・予防法
- 授乳クッションを適切に使い、背筋を伸ばして楽な姿勢で行う
- 授乳中は時々首や肩を回して緊張をほぐす
- 左右均等に抱っこするように意識する
- 蒸しタオルなどで首や肩を温めるのも効果的です。
育児中の体の不調は我慢せず、早めのケアと周囲のサポートを得ながら、少しでも快適に過ごせるように工夫していきましょう。
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