妊娠という特別な期間は、喜びと同時に様々な変化や不安が訪れるものです。そんな中、気分転換や夫婦水入らずの時間を楽しむための旅行を計画する方もいらっしゃるでしょう。しかし、「妊娠中に旅行しても大丈夫？」「飛行機はいつまで乗れるの？」といった疑問や心配も尽きません。
この記事では、妊娠中の旅行を安全に楽しむための注意点や、おすすめのプランニング方法、旅行中に気をつけるべきポイントなどを詳しく解説します。事前にしっかりと情報を収集し、無理のない計画を立てることで、安心してマタニティ旅行を満喫しましょう。
目次
1. 妊娠中でも飛行機や旅行が可能？注意点を解説
妊娠中の旅行は、時期や体調、行き先などを慎重に選べば十分に可能です。しかし、いくつか注意しておきたい点があります。特に飛行機を利用する場合は、事前に確認しておくべきことがあります。
1-1. 妊娠中の飛行機移動はいつまで可能？
多くの航空会社では、妊娠後期（特に妊娠36週以降や国際線では妊娠28週以降など）の搭乗には医師の診断書が必要となる場合があります。また、出産予定日間近になると搭乗自体が制限されることもあります。
一般的に、妊娠初期はつわりなどで体調が不安定な方も多く、また、妊娠後期はお腹が大きくなり動きづらくなったり、早産のリスクも考慮する必要があるため、飛行機での長距離移動は慎重に判断する必要があります。
「妊娠初期に飛行機に乗ると赤ちゃんに影響があるのでは？」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、通常の飛行高度では放射線被曝量が胎児に影響を与えるレベルではないとされています。しかし、これはあくまで一般的な情報であり、ご自身の体調や妊娠経過によって状況は異なります。「妊娠初期に気づかずに飛行機に乗ってしまった」という場合も、過度に心配せず、まずはかかりつけの医師に相談することが大切です。
ポイント
- 搭乗可能な妊娠週数や必要書類は航空会社によって異なるため、必ず事前に確認しましょう。
- 妊娠初期や後期、あるいは少しでも体調に不安がある場合は、無理な移動は避け、医師に相談しましょう。
- 海外旅行の場合は、時差や長時間のフライトによる負担も考慮が必要です。
1-2. 安定期の旅行が理想的な理由
妊娠中の旅行に比較的適しているとされるのが「安定期」です。一般的に妊娠16週から27週頃を指し、この時期はつわりが落ち着き、体調が安定してくる方が多いと言われています。また、流産のリスクも妊娠初期に比べて低くなるため、精神的にもリラックスして旅行を楽しめる可能性が高まります。
- 安定期に旅行するメリット
-
- つわりが治まり、食事が楽しめるようになることが多い。
- 体調が比較的安定し、活動しやすくなる。
- 流産のリスクが初期に比べて低下する。
- お腹の大きさもまだそれほどではなく、動きやすい。
ただし、安定期であっても無理は禁物です。旅行前には必ず医師に相談し、許可を得るようにしましょう。安定期に飛行機を利用する場合も、体調を最優先に考え、ゆとりのあるスケジュールを組むことが大切です。
2. 妊娠中旅行のプランニング：おすすめの方法
妊娠中の旅行は、母体と赤ちゃんへの負担を最小限に抑えることが最も重要です。そのため、事前のプランニングが非常に大切になります。
2-1. 妊婦におすすめの旅行プランとは？
妊婦さんにおすすめなのは、心身ともにリラックスできるような、ゆったりとした旅行プランです。
- 近場の温泉旅行
移動時間が短く、温泉でゆっくりと体を休めることができます。ただし、長時間の入浴や高温の湯、一部の泉質は避けた方が良い場合もあるため、事前に確認しましょう。転倒にも十分注意が必要です。 - マタニティプランのある宿
妊婦さん向けの食事やアメニティ、貸切風呂などが用意されている宿もあります。安心して滞在できるような配慮がされているため、おすすめです。「マタ旅」や「マタニティ旅行」といったキーワードで検索すると、様々なプランが見つかるでしょう。 - 自然豊かな場所でのんびり
美しい景色を眺めたり、静かな環境で過ごしたりするのも良いでしょう。ただし、アップダウンの激しい場所や足場の悪い場所は避けるようにしましょう。 - 夫婦水入らずの時間を楽しむ
出産前の思い出作りとして、夫婦でゆっくりと会話を楽しめるような落ち着いた雰囲気の場所を選ぶのも素敵です。
避けた方が良いプランの例
- 過密なスケジュールで観光地を巡るツアー
- 長時間の移動が必要な海外旅行（特にフライト時間が長い場所）
- 激しいアクティビティ（ジェットコースターなど）を伴う旅行
- 衛生状態の良くない可能性のある地域への旅行
「妊娠中にテーマパークへ行って後悔した」という声も聞かれます。人が多く、待ち時間が長かったり、乗り物に乗れなかったりすることで、かえって疲れてしまうこともあります。もし計画する場合は、体調を最優先し、無理のない範囲で楽しむようにしましょう。
2-2. 妊娠後期の旅行は避けるべき理由
妊娠後期（特に妊娠28週以降）の旅行は、母体への負担が大きく、様々なリスクも高まるため、基本的には避けることが推奨されます。
妊娠後期の旅行を避けるべき主な理由
- 早産のリスク
お腹の張りや出血など、早産の兆候が現れやすい時期です。旅行先で万が一のことがあった場合、適切な医療を受けられない可能性があります。 - 母体の負担増
お腹が大きくなり、腰痛や息切れ、むくみなどの症状が出やすくなります。長時間の移動や慣れない環境は、さらに負担をかけることになります。 - 合併症のリスク
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症が起こりやすい時期でもあります。 - 緊急時の対応の難しさ
旅行先で破水や陣痛が始まった場合、かかりつけの病院から離れていると対応が難しくなります。
「妊娠8ヶ月」や「妊娠9ヶ月」、「臨月」といった時期の旅行は、原則として控えるべきです。もし特別な事情で移動が必要な場合でも、必ず事前に医師に相談し、指示に従ってください。
3. 妊娠中の旅行中に気をつけるポイント
妊娠中の旅行は、普段以上に体調管理に気を配る必要があります。持ち物や行動にも注意し、安全で快適な旅を心がけましょう。
3-1. 妊婦さん向けの持ち物チェックリスト
旅行の際には、以下のものを準備しておくと安心です。
- 必ず持っていくもの
-
- 母子健康手帳
- 健康保険証
- 産婦人科の診察券
- 現金（クレジットカードが使えない場合に備えて）
- スマートフォン・携帯電話と充電器
- 衣類・履物
-
- ゆったりとした楽な服装（温度調節しやすい重ね着できるもの）
- 履きなれた歩きやすい靴（ヒールの低いもの）
- 着圧ソックス（むくみ対策）
- 下着（多めに）
- 衛生用品・ケア用品
-
- ナプキン・おりものシート
- 保湿クリーム（乾燥対策）
- 日焼け止め
- マスク
- 除菌シート・スプレー
- その他
-
- 常備薬（医師から処方されているもの）
- 飲み物（こまめな水分補給のため）
- 軽食（空腹や気分が悪くなった時のため）
- 羽織ものやストール（冷え対策）
- 緊急連絡先リスト（家族、かかりつけ医など）
- 海外旅行の場合は、海外旅行保険証（妊娠中のトラブルもカバーできるもの）
「新幹線で妊婦割引はあるの？」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、残念ながらJRには妊婦さん向けの特別な割引制度は現時点ではありません。
3-2. 旅行中の健康管理の重要性
旅行中は、いつも以上に自分の体調に敏感になりましょう。
- こまめな休憩
疲れたと感じる前に、こまめに休憩を取りましょう。特に長時間の移動（新幹線や車など）では、1〜2時間ごとに休憩を挟み、軽く体を動かすようにしましょう。「妊娠初期に車で2時間移動する」といった場合でも、無理のないように計画してください。 - 水分補給
脱水症状を防ぐために、こまめに水分を摂りましょう。 - 体を冷やさない
特に下半身を冷やさないように注意し、羽織ものなどで調整しましょう。 - 食事に注意
生ものや加熱が不十分なものは避け、食中毒に注意しましょう。食べ慣れないものや刺激物は控えめに。 - 無理のないスケジュール
詰め込みすぎず、ゆとりのあるスケジュールを組みましょう。 - 温泉や海の注意点
温泉は長湯を避け、泉質を確認しましょう。滑りやすい場所もあるので転倒にも注意が必要です。「妊婦は温泉にいつまで入れるか」については、体調や施設によりますので、医師や施設に確認すると良いでしょう。海に入る場合は、体を冷やしすぎないようにし、感染症にも注意が必要です。 - 激しいアトラクションは避ける
「妊婦でもジェットコースターに乗れる？」という疑問を持つ方もいるかもしれませんが、急な動きや衝撃は母体や胎児に負担をかける可能性があるため、絶対に避けましょう。「妊娠初期にジェットコースターに乗ってしまった」という場合は、すぐに医師に相談してください。
4. 妊娠中に旅行を計画する際の注意点と後悔を防ぐために
楽しいはずの旅行が、後悔や不安な思い出にならないように、事前の準備と心構えが大切です。
4-1. 妊娠中の旅行後悔体験談から学ぶ
インターネット上には、「マタ旅で後悔した」という体験談も散見されます。
- 「無理なスケジュールで体調を崩し、旅行先で寝込んでしまった」
- 「妊娠初期に旅行して、その後ずっと不安だった」
- 「海外旅行中に体調が悪化したが、言葉が通じず適切な医療を受けられなかった」
- 「旅行先で出血し、緊急入院になってしまった」
これらの体験談から学べるのは、やはり「無理をしないこと」「万が一の事態を想定しておくこと」の重要性です。「妊娠初期の旅行で流産のリスクが高まるのでは」といった不安を感じる方もいますが、旅行自体が直接的な原因となることは稀であるものの、体調が不安定な時期の無理は禁物です。
「妊娠中の海外旅行で後悔した」というケースでは、医療体制や保険の問題が大きく関わってきます。また、非常に稀なケースではありますが、「マタ旅で死亡」といった深刻な事態に至る可能性もゼロではありません。これは、妊娠中の母体が通常時とは異なる状態にあることを示しています。
4-2. 安全と快適を両立するための事前準備
後悔しないためには、以下の点を徹底しましょう。
- 必ず医師に相談する
旅行の計画を立てる前に、必ずかかりつけの産婦人科医に相談し、許可を得ましょう。時期、行き先、日程、移動手段などを伝え、アドバイスをもらってください。 - 旅行先の医療機関を調べておく
万が一の場合に備えて、旅行先の近くにある産婦人科や総合病院を事前に調べておきましょう。特に夜間や休日に対応してくれるかどうかも確認しておくと安心です。 - 緊急連絡先を共有する
家族や同行者と、かかりつけ医や緊急時の連絡先を共有しておきましょう。 - キャンセル可能なプランを選ぶ
妊娠中の体調は予測が難しいため、直前までキャンセルや変更が可能なプランを選ぶのが賢明です。「妊娠が発覚して旅行をキャンセルした」という場合でも、キャンセル料がかからない、あるいは少なくて済むようにしておくと安心です。 - 海外旅行保険への加入（海外の場合）
海外旅行の場合は、妊娠中のトラブル（早産や合併症など）もカバーしてくれる海外旅行保険に必ず加入しましょう。 - 無理のないスケジュールと内容にする
移動時間が短く、ゆったりと過ごせるプランを選びましょう。体調に合わせていつでも休憩できるような柔軟性を持たせることが大切です。 - 同行者の理解と協力を得る
夫や家族など、同行者にも妊娠中の旅行のリスクや注意点を理解してもらい、協力を得られるようにしましょう。
「妊娠初期に気づかずに旅行してしまった」という方も、その後は必ず医師の指示に従い、今後の行動は慎重に判断してください。
妊娠中の旅行は、素晴らしい思い出になる一方で、リスクも伴います。常に母体と赤ちゃんの安全を最優先に考え、万全の準備で、心から楽しめるマタニティライフをお過ごしください。
理想の保育園・幼稚園探しなら「エンクル」 検索して地図上で空き情報を一括比較！口コミや見学予約機能も。登録した希望条件でオファーも届く！
保育園探しはプロにお任せ！希望の園探しをトコトンお手伝いします！
