お子さまが急に熱を出すと、保護者の方は誰でも心配になるものです。特に初めての子育てや、周りに頼れる人が少ない状況では、どう対応すれば良いか分からず、不安が大きくなることもあるでしょう。
しかし、そんな時こそ冷静にお子さまの様子を観察し、適切な対応をとることが大切です。このガイドでは、お子さまの急な発熱や高熱の際に、ご家庭でできること、医療機関を受診する目安などについて解説します。
目次
1. 子どもが急な発熱をした際に考えるべきこと
お子さまが発熱した際は、まず慌てずに、体温だけでなく全身の状態を注意深く観察しましょう。機嫌はどうか、食欲はあるか、顔色や呼吸の様子はどうかなど、普段の様子と比較することが大切です。これらの情報は、医療機関を受診する際にも医師に伝えるべき重要なポイントとなります。
1-1. 発熱時の症状や行動で受診を検討する目安
発熱に加えて、以下のような症状や様子が見られる場合は、医療機関の受診を検討しましょう。月齢や年齢によっても判断基準は異なりますので、あくまで目安としてください。
- 顔色が悪い
- 唇の色が紫色っぽい、顔面蒼白など
- 機嫌が非常に悪い、ぐったりしている
- あやしても笑わない、呼びかけへの反応が鈍い
- 食欲がない、水分を受け付けない
- ミルクや母乳、食事をほとんど摂ろうとしない
- 呼吸が苦しそう
- 肩で息をしている、ゼーゼーという音がする、呼吸が速い
- けいれんを起こした
- 初めてのけいれん、5分以上続くけいれん
- 意識がおかしい
- 呼びかけに反応しない、視線が合わない
- 生後3ヶ月未満の赤ちゃんの38度以上の発熱
- 重症化しやすいため、早めの受診が推奨されます
- 発熱が数日続く
- 特に他の症状がなくても、3日以上熱が続く場合は相談しましょう
1-2. 子どもの嘔吐や発熱における医療受診タイミング
発熱と共に嘔吐が見られる場合は、脱水症状に特に注意が必要です。
- 嘔吐の回数が多い
- 何度も繰り返し吐いてしまう
- 水分を摂ってもすぐに吐いてしまう
- 水分補給ができない状態
- 尿の量が少ない、色が濃い
- 半日以上おしっこが出ないなど
- ぐったりして元気がない
- 嘔吐と発熱で体力を消耗している
- 激しい腹痛を伴う
- 他の病気の可能性も考慮
これらの症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
2. 赤ちゃんや子どもの発熱時の家庭での対応方法
医療機関を受診するまでの間や、軽症で自宅で様子を見る場合には、お子さまが少しでも楽に過ごせるようにケアしてあげましょう。
2-1. 高熱が出た場合に必要な水分補給方法
発熱時は汗をかいたり呼吸が速くなったりするため、体から水分が失われやすくなります。脱水症状を防ぐために、こまめな水分補給が非常に重要です。
- 何を飲ませるか
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- 赤ちゃん
- 母乳、ミルク、湯冷まし、ベビー用の経口補水液など
- 幼児
- 湯冷まし、麦茶、子ども用の経口補水液、薄めたりんごジュースなど
※柑橘系のジュースや炭酸飲料は、胃腸に負担をかけることがあるので避けましょう。
- 飲ませ方
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- 少量ずつ、頻繁に
- 一度にたくさん飲ませると吐いてしまうことがあるため、スプーンやスポイトで少しずつ、回数を多くして与えましょう。
- 欲しがるときに
- 無理強いせず、お子さまが欲しがるタイミングで与えましょう。
- 水分補給ができているかの目安
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- おしっこの回数や量
- 普段通りか、やや少なめでも出ていればひとまず安心です。
- 唇や口の中の渇き具合
- 潤っていれば大丈夫です。
2-2. 赤ちゃんの熱を冷やすための便利グッズと使い方
熱が高くてつらそうな場合は、体を冷やしてあげることで少し楽になることがあります。ただし、冷やしすぎは禁物です。
- 冷却グッズの種類
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- 冷却ジェルシート
- おでこや首筋、脇の下などに貼るタイプ。手軽に使えますが、乳幼児は誤飲や窒息に注意し、目を離さないようにしましょう。
- 保冷剤
- タオルなどに包んで、首のうしろ、脇の下、足の付け根など、太い血管が通っている部分を冷やすと効果的です。直接肌に当てないように注意してください。
- 水枕(氷枕)
- 頭部を冷やします。嫌がる場合は無理強いしないようにしましょう。
- 使い方と注意点
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- 嫌がる場合は無理しない
- お子さまが嫌がる場合は、無理に冷やす必要はありません。
- 手足が冷たいときは温める
- 熱が上がりきっていないときや、手足が冷たいときは、体を冷やすとかえって悪寒が強くなることがあります。その場合はまず体を温めてあげましょう。
- 衣服の調整
- 熱がこもらないように、薄着にしてあげましょう。汗をかいたらこまめに着替えさせてください。
3. 子どもが40度以上の高熱を出した際の対処方法
40度を超えるような高熱が出ると、保護者の方は非常に心配されると思います。まずは落ち着いて、お子さまの全身状態をよく観察してください。
3-1. 高熱時に注意するべき症状とケアのポイント
高熱そのものよりも、熱に伴う他の症状が重要です。
- 意識の状態
- 呼びかけへの反応はどうか、視線は合うか、ぐったりしていないか。
- 呼吸の状態
- 息苦しそうにしていないか、呼吸の回数は多くないか。
- けいれんの有無
- 熱性けいれんを起こすことがあります。初めてのけいれんや、5分以上続く場合は救急要請も検討しましょう。
- 水分補給
- 高熱時は特に脱水になりやすいので、少量ずつでも水分を摂れるように促しましょう。
- 解熱剤の使用
- 医師から処方されたものや、薬剤師に相談して購入した子ども用の解熱剤を、用法・用量を守って使用しましょう。熱を下げること自体が目的ではなく、高熱によるつらさを和らげ、水分補給や睡眠をしやすくするために使用します。
3-2. 医療機関を早急に受診すべき特別なケースとは
40度以上の高熱が出て、以下のような場合は、夜間や休日であっても医療機関の受診を検討してください。
- ぐったりして反応が鈍い、意識がはっきりしない
- 水分を全く受け付けず、尿が半日以上出ていない
- けいれんを起こした(特に初めての場合や5分以上続く場合)
- 呼吸が速く、苦しそうにしている
- 顔色が悪く、唇が紫色になっている
- 繰り返し嘔吐している
- 生後3ヶ月未満の赤ちゃん
判断に迷う場合は、かかりつけ医や自治体の相談窓口(子ども医療電話相談など)に電話で相談するのも一つの方法です。
4. 冷静に判断しつつ子どもの健康を守るために
お子さまの急な発熱は、保護者にとって大きな試練です。しかし、慌てずにお子さまの状態を観察し、適切な対応をとることで、お子さまの苦痛を和らげることができます。
日頃からかかりつけ医を持ち、相談しやすい環境を作っておくことも大切です。また、地域の救急医療情報や夜間・休日診療を行っている医療機関を事前に調べておくと、いざという時に落ち着いて行動できるでしょう。
一人で抱え込まず、必要なときには医療機関や専門家の助けを借りながら、お子さまの健康を守っていきましょう。
お子さまが急に熱を出した時、「仕事を休めない、どうしよう…」と悩む保護者の方も少なくありません。そんな時、看護師が常駐していたり、体調不良児への対応が手厚かったり、あるいは連携する病児保育施設があったりする園なら、どれほど心強いでしょうか。
お子さまの健康を安心して任せられる環境を選ぶこともまた、子育てにおける大切な「備え」の一つです。
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