添い乳のメリットとデメリット、方法を詳しく解説
1. 添い乳とは?いつから始めるべき?
添い乳は、ママと赤ちゃんが横になったまま授乳する方法です。特に夜間の授乳や、産後で体が辛い時期のママにとって、負担を軽減できる授乳スタイルの一つとして知られています。しかし、いつから始めて良いのか、どんな点に注意すべきか、気になる方も多いでしょう。ここでは、添い乳の基本的な情報について解説します。
1-1. 添い乳のメリットとは?寝かしつけにも役立つ理由
添い乳には、ママと赤ちゃん双方にとっていくつかのメリットがあります。
- ママの体の負担軽減
産後や夜間の授乳時、座った姿勢を保つのが辛いことがあります。添い乳なら、横になったままリラックスして授乳できるため、ママの身体的な負担を和らげることができます。 - 赤ちゃんの安心感
ママと体が密着することで、赤ちゃんは安心感を得やすいと言われています。肌と肌が触れ合うことで、オキシトシンという愛情ホルモンの分泌も促されると考えられています。 - 寝かしつけがスムーズになることも
授乳のリラックス効果と安心感から、赤ちゃんがウトウトと眠りにつきやすくなることがあります。特に夜間、赤ちゃんがなかなか寝付かない時に助けとなる場合があります。ただし、添い乳での寝かしつけが習慣化すると、それ以外の方法で寝かしつけるのが難しくなることもあるため、バランスが大切です。 - 夜間の授乳が楽に
赤ちゃんが夜中に目を覚ましても、ママは起き上がらずに授乳できるため、睡眠の中断を最小限に抑えられます。
1-2. 添い乳はいつからいつまで?赤ちゃんとママの成長に応じたタイミング
- いつから
- 添い乳は、基本的には新生児期から行うことができます。ただし、新生児期はまだ授乳に慣れていないママも赤ちゃんも多いため、特に安全には十分な注意が必要です。最初は日中の明るい時間帯に、ママの意識がはっきりしている時に試してみると良いでしょう。
- いつまで
- 添い乳をいつまで続けるかについては、特に決まりはありません。赤ちゃんの成長や発達、ママの考え方やライフスタイルによって異なります。
一般的に、以下のようなタイミングで添い乳をやめることを検討する方が多いようです。- 赤ちゃんが自分で寝返りをうてるようになったり、動きが活発になったりした時
- 歯が生え始め、虫歯のリスクが気になり始めた時
- 夜間の授乳がなくても朝まで眠れるようになった時
- ママが添い乳以外の寝かしつけ方法を試したいと考えた時
赤ちゃんとママにとって、無理のないタイミングで判断することが大切です。
2. 添い乳のやり方とコツ:安全で快適な授乳を目指して
添い乳を安全かつ快適に行うためには、正しい方法といくつかのコツを知っておくことが重要です。
2-1. 添い乳の基本的な方法とポジションのとり方
- 安全な場所を確保する
- ベッドや布団は、赤ちゃんが転落しないように柵を設けるか、壁際に寄せるなど工夫しましょう。
- 赤ちゃんの顔の周りに、窒息の原因となるような柔らかい枕や布団、ぬいぐるみなどを置かないようにします。
- ママと赤ちゃんの間に隙間ができないように注意しましょう。
- ママの体勢
- 横向きになり、下側の腕は赤ちゃんの頭を支えるか、枕の上に置きます。
- 背中にクッションなどを当てると、体勢が安定しやすくなります。
- 赤ちゃんの体勢
- 赤ちゃんの体全体がママの方を向くように、横向きに寝かせます。
- 赤ちゃんの口が、ママの乳首の高さに来るように調整します。必要であれば、赤ちゃんの背中や頭の下に畳んだタオルなどを敷いて高さを調整しましょう。
- 赤ちゃんの鼻が乳房で圧迫されないように注意します。
- ラッチオン(吸いつき)の確認
- 赤ちゃんが口を大きく開けたタイミングで、乳首と乳輪部を深く含ませます。
- 正しく吸いつけているか、赤ちゃんの飲む音や様子を確認しましょう。
2-2. 添い乳のコツと注意点とは?反対側の胸を使うタイミング
- コツ
-
- クッションの活用
ママの背中や膝の間にクッションを挟むと、より楽な体勢を保てます。授乳クッションを添い乳用にアレンジして使うのも良いでしょう。 - 明るさの調整
夜間の場合は、授乳に必要な最低限の明るさにすると、赤ちゃんもママも再び眠りにつきやすくなります。 - 無理のない範囲で
最初はうまくいかなくても焦らず、ママと赤ちゃんがリラックスできることを優先しましょう。
- クッションの活用
- 注意点
-
- ママの睡眠
特に慣れないうちは、添い乳中にママが深く眠り込んでしまわないように注意が必要です。赤ちゃんの顔を覆ってしまったり、圧迫してしまったりする危険性があります。 - 長時間の同じ体勢
ママの体が痛くならないように、適度に体勢を変えたり、ストレッチをしたりしましょう。 - 赤ちゃんの様子を常に確認
授乳中も赤ちゃんの顔色や呼吸、体温などをこまめに確認しましょう。
- ママの睡眠
- 反対側の胸を使うタイミング
- 片方の胸の張りが和らいだり、赤ちゃんが飲む勢いが弱くなったりしたら、反対側の胸に切り替えるタイミングです。ママが体勢を変えて赤ちゃんを移動させるか、赤ちゃんを一度抱き上げて向きを変え、反対側の胸で授乳します。無理に同じ体勢で反対側の胸を吸わせようとすると、赤ちゃんもママも苦しくなることがあります。
2-3. 添い乳でゲップは必要?正しいやり方と後のケア
一般的に、添い乳は座って授乳するよりも空気を飲み込みにくいと言われています。そのため、必ずしも毎回ゲップをさせる必要はありません。
しかし、赤ちゃんによっては空気を飲み込みやすい子もいます。授乳後に赤ちゃんが苦しそうにしていたり、頻繁に母乳やミルクを吐き戻したりするようであれば、ゲップを試してみましょう。
ゲップのさせ方(添い乳後)
- 赤ちゃんをゆっくりと縦抱きにします。
- 赤ちゃんのあごをママの肩に乗せ、背中を優しく下から上へさすったり、軽くトントンと叩いたりします。
無理に出させようとする必要はありません。数分試してもゲップが出なければ、そのまま寝かせても大丈夫なことが多いです。ただし、吐き戻しが多い場合は、授乳後しばらく縦抱きにして様子を見るか、頭を少し高くして寝かせると良いでしょう。
3. 添い乳のデメリットとリスク:実践前に知っておくべきこと
添い乳は便利な一方で、いくつかのデメリットやリスクも指摘されています。これらを理解した上で、安全に行うことが大切です。
3-1. 添い乳は本当に良くない?デメリットとその背景を考える
添い乳が「良くない」と言われる背景には、以下のような点が挙げられます。
- 窒息のリスク
最も注意すべき点です。ママが眠ってしまったり、柔らかい寝具に赤ちゃんの顔が埋もれてしまったりすることで、窒息事故につながる可能性があります。 - 乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク
うつぶせ寝や両親の喫煙、人工栄養などがSIDSのリスク因子として知られていますが、添い寝や添い乳がSIDSのリスクを高めるかどうかについては専門家の間でも意見が分かれています。ただし、安全な環境で行うことが大前提です。 - 虫歯のリスク
特に歯が生え始めた赤ちゃんが、母乳やミルクを口に含んだまま眠ってしまうと、虫歯のリスクが高まる可能性があります。 - ママの睡眠の質の低下
赤ちゃんのすぐ隣で寝ているため、赤ちゃんのわずかな動きで目が覚めてしまい、結果的にママの睡眠が浅くなることがあります。 - 寝かしつけの癖
添い乳でしか寝付けないという習慣がついてしまうと、他の方法での寝かしつけが難しくなったり、夜中に何度も目を覚まして授乳を求めたりすることがあります。
これらのデメリットを理解し、対策を講じることが重要です。
3-2. 添い乳と中耳炎や浅い眠りの関係
- 中耳炎
- 赤ちゃんが横になったままミルクや母乳を飲むと、飲み込んだものが鼻の奥にある耳管(じかん)という管を通って中耳に流れ込みやすくなり、中耳炎を引き起こすリスクがあると言われています。特に哺乳瓶でミルクをあげる場合に注意が必要です。
- 浅い眠り
- 添い乳は赤ちゃんが少し目を覚ますたびに授乳に応じやすいため、結果として頻回授乳になり、赤ちゃんの眠りが浅くなる可能性が指摘されています。また、ママも細切れ睡眠になりがちです。
3-3. 添い乳を安全に行うための具体的な対策
添い乳を行う場合は、以下の点に注意して安全対策を徹底しましょう。
- 硬めの寝具を選ぶ
赤ちゃんが沈み込むような柔らかい敷布団やマットレスは避け、硬めのものを選びましょう。ウォーターベッドや柔らかいソファでの添い乳は危険です。 - 赤ちゃんの顔の周りに何もない状態にする
枕(特に大人用のもの)、掛け布団、ぬいぐるみ、クッションなどを赤ちゃんの顔の近くに置かないようにします。ママの髪が赤ちゃんの顔にかからないようにも注意しましょう。 - ママが極度に疲れている時や飲酒時、睡眠薬服用時は避ける
深い眠りに落ちてしまい、赤ちゃんに気づかずに危険な状態にしてしまう可能性があるため、このような場合は添い乳を避けましょう。 - ママと赤ちゃんの間に隙間を作らない
ベッドと壁の間などに赤ちゃんが挟まれないように注意します。 - 定期的に赤ちゃんの様子を確認する
赤ちゃんの呼吸が苦しそうでないか、顔色が悪くないかなどをこまめに確認しましょう。 - 禁煙
保護者の喫煙はSIDSのリスクを高めます。添い乳の有無に関わらず、赤ちゃんの周りでの喫煙は絶対に避けましょう。
4. 添い乳に頼らない寝かしつけの方法:成功へのステップ
添い乳は便利な反面、いつかは卒業を考える時期が来るかもしれません。添い乳に頼らない寝かしつけの方法を知っておくことも大切です。
4-1. 添い乳のやめ方と辞めるタイミングとは?
- やめ方
-
- 徐々に回数を減らす
まずは日中の添い乳から減らし、次に寝る前の添い乳、最後に夜中の添い乳というように、段階的に減らしていくと、赤ちゃんとママの負担が少ないでしょう。 - 授乳と寝かしつけを切り離す
眠る直前の授乳をやめ、授乳後に絵本を読んだり、子守唄を歌ったりするなど、別の入眠儀式を取り入れます。 - 他の寝かしつけ方法を試す
抱っこしてゆらゆらする、背中をトントンする、オルゴールを聴かせるなど、赤ちゃんが安心できる他の方法を探してみましょう。 - パパや他の家族に協力してもらう
ママだとおっぱいを連想させてしまう場合があるため、パパなど他の家族に寝かしつけを代わってもらうのも有効です。
- 徐々に回数を減らす
- 辞めるタイミング
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- 赤ちゃんの成長に合わせて
離乳食が3回食になり、栄養の多くを食べ物から摂れるようになった頃や、夜通し眠れるようになってきた頃など。 - ママの準備ができた時
ママ自身が「やめたい」「他の方法を試したい」と思った時も、良いタイミングです。無理強いは禁物です。 - 虫歯の心配が出てきた時
歯が生えそろい、歯科医から指導があった場合など。
焦らず、赤ちゃんの様子を見ながら、親子にとって最適なペースで進めましょう。
- 赤ちゃんの成長に合わせて
4-2. 添い乳じゃないと寝ない赤ちゃんへのアプローチ
「添い乳じゃないと寝てくれない」という悩みは多くのママが抱えるものです。根気が必要ですが、以下のようなアプローチを試してみてください。
- 新しい入眠儀式を確立する
毎日同じ時間に、同じ流れで寝る前の準備(お風呂、歯磨き、絵本など)を行い、赤ちゃんに「これから寝る時間だ」というサインを送ります。 - 日中のスキンシップを増やす
日中にたくさん抱っこしたり、遊んだりすることで、赤ちゃんの情緒的な満足感を高めます。夜、おっぱい以外のものでも安心感を得やすくなることがあります。 - 寝室の環境を整える
部屋を暗く静かにし、快適な温度・湿度を保つなど、赤ちゃんが眠りやすい環境を作りましょう。 - 少しずつ慣らしていく
最初は泣いてしまうかもしれませんが、すぐに添い乳に戻すのではなく、優しく声をかけたり、トントンしたりして、少しずつ添い乳以外の方法に慣らしていくことが大切です。 - ママがリラックスする
ママの不安やイライラは赤ちゃんに伝わります。深呼吸をするなどして、ママ自身がリラックスして接することを心がけましょう。
すぐに効果が出なくても、諦めずに続けることが大切です。時には専門家(助産師や保健師など)に相談するのも良いでしょう。
5. 添い乳に関するよくある質問とその回答
添い乳は本当にやめた方がいい?赤ちゃんに必要な環境を考える
添い乳にはメリットもデメリットもあります。一概に「やめた方がいい」とは言えません。大切なのは、メリットとデメリット、そしてリスクを正しく理解した上で、各家庭の状況、赤ちゃんの個性、ママの体調や考え方に合わせて判断することです。
安全な環境を確保し、ママと赤ちゃんがリラックスして授乳できるのであれば、添い乳は有効な手段の一つです。しかし、添い乳だけに頼りすぎず、赤ちゃんの成長に合わせて他の寝かしつけ方法も試していくなど、柔軟に対応していくことが、赤ちゃんにとってもママにとってもより良い環境につながるでしょう。
添い乳をやめる場合も、無理強いするのではなく、赤ちゃんの気持ちに寄り添いながら、愛情を伝え続けることが何よりも大切です。
添い乳とミルクでの寝ながら授乳の違い
基本的な注意点は母乳での添い乳と共通する部分が多いですが、ミルクの場合は特に以下の点に注意が必要です。
- 虫歯のリスク
ミルクは母乳に比べて糖分が多い場合があり、飲んだまま寝てしまうと虫歯のリスクがより高まると言われています。飲んだ後は可能であれば口をゆすがせるか、濡らしたガーゼで歯を拭いてあげると良いでしょう。 - 哺乳瓶の角度と量
横になったまま哺乳瓶でミルクを飲ませる際は、空気を飲み込みすぎないように哺乳瓶の角度に注意が必要です。また、飲み終わった後も哺乳瓶を口にくわえたままにしないようにしましょう。 - 中耳炎のリスク
前述の通り、ミルクが耳管に流れ込みやすい体勢になるため、中耳炎のリスクが指摘されています。できれば少し頭を高くしてあげるなどの工夫をすると良いでしょう。
母乳でもミルクでも、寝ながらの授乳は赤ちゃんの様子をよく観察し、安全に配慮して行うことが最も重要です。
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添い乳のメリット・デメリット、安全なやり方、やめどきを解説。夜間授乳の負担軽減や寝かしつけに役立つ方法と注意点をまとめました。
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